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インプラントと噛み合わせ
2022.07.27

こんにちわ府中市のワンデイデンタルです。

最近たまに午後抜けとか週末いないことがあり診療時間変更のお願いでご迷惑をかけています。いまだ研修の虫が収まらず月に数回研修会に参加させていただいております。皆さんの診療にフィードバックできるよう日々研鑽しておりますのでよろしくお願いいたします。

咬合理論

中心位というのと咬頭嵌合位というのと大きく分けて二つあります。

中心位の位置はここ50年ほどでいくつかの変遷を経ています。顎関節という関節の中で前後的に後上方にあると決められてしばらくはその位置に設定して、補綴をするというのが主流となりました。アメリカで1960年代から10年ほどはこの理論が一世を風靡しました。ナソロジーです。その後若干の位置の変更がありましたが、やっぱりいまいちということで前上方へと位置の設定変更がなされました。それでもうまくいかず、この理論ナソロジーはアメリカではすたれていき、ヨーロッパででオーストリアンナソロジーとして新たな脚光を浴び始めます。この理論では、中心位は患者さんによって異なり、よりスムーズな位置にあるといわれています。正しい定義としては、歯の接触とは無関係に決まる上下額の位置関係であり、下顎頭は下顎窩ないにおいて上前方に位置し、ここで下顎は純粋な回転運動を行う。この無理のない生理的上下顎の位置から患者は開口、側方、前方運動ができる。この位置は、臨床的に有用で、反復可能な基準位である。この定義は2017年に定義され現在もこの定義が応用されています。

ナソロジーについては霞が関の納富歯科の先生方に(これは歯科大生の時に毎週金曜日の夜間に教えていただいていました)、その後の咬合については藤本順平先生の補綴研修に参加して研鑽しました。オーストラリアンナソロジーであるシーケンシャル咬合は最近特に興味をひかれており、日々の診療に取り入れ、インビザと補綴のいいところをうまく引き出しつつ診療に役立てています。

咬頭嵌合位は習慣性咬合位とか筋肉位とかいろいろな言われ方をしますが要は普段カチンと噛んできたら咬みこむところと考えていただければ正しいです。一般的にはこの咬頭嵌合位で修復することが多く、この位置を中心に2,3ミリの円運動を行い、咀嚼が行われます。この位置と中心位とのずれを鑑み修復する歯科医院は意外と少ないですが、当院では昔から注意しながら診療を行ってます。特に自費で全顎補綴をするときは注意するようにしています。中心位と習慣性咬合位がずれている方が割といるのでずれる時に不自然な干渉が無いように被せ物を作るときに気を付けています。

初診時の診査診断

問診を行い、CTとiTEROを用いたAI上で口腔内の3D   模型を作成します。この時全体的な咬合状態、カリエスの有無、顎骨内炎症の有無まで確認を行います。あとは、ドーソン法で中心位チェックしつつ、外耳道に小指を入れて顎関節の状況を触診して、クリックや下顎頭の後退等をチェックします。これらを用い、上下的額の位置関係の健康状態を確認しつつ、COPAを用いるかなどを精査します。口腔内に問題のある方の場合は顎位が後退しつつ、咬みこみすぎなことが多いので補綴物や歯列の再配列をおこないながらこれらの状況に対応していきます。

歯牙及び歯列欠損

上下で歯牙は28本あり、一本ぐらいと感じるかもしれませんがこれがどっこい一本ないだけでバツグンに調子悪いです。自分も最近右上の側切歯を抜歯してインプラントに置き換えたのですが、歯牙ができるまでは審美的要件もさることながら発音噛み合わせ咀嚼においてほんとに不便を感じました。インプラントが骨に定着し被せ物を付けてみてホントしみじみありがたさを実感しました。これが奥歯ならなおのことです。大臼歯は一つの歯牙でもともと10ポイントくらいの接触点を持ち、就寝時や集中しているときはこの一つのポイントで楽に体重ぐらいの荷重がかかります。したがってこの機能が失われていくと顎関節への負担のみならず、姿勢であったり上半身の筋バランスひいては腰椎あたりまで影響を示します。自分の経験からだと、うまく噛み合わせの調整がいかないと右の首と背中の真ん中あたりに強く疼痛箇所が出てきます。こういう時は下顎の側方運動時の咬合をチェックし、調整するとほぼ収まります。

したがって、これらの時、欠損個所をインプラントで補うのは抜群の効果を発します。やれば実感する咬合の安定感をぜひ多くの方に体験していただきたいです。いまはどのような場所であれインプラント補綴は可能です。骨が無ければある場所に、それも難しければ造骨をしてインプラントを植立します。骨粗しょう症の方や糖尿病の方、脳梗塞後の血液サラサラを服用している方でもどのような方にも対応して咬合再構築のためにインプラント治療を行っております。有病者であるのが普通となる年齢の方でもぜひあきらめずに治療に挑戦してみて下さい。食べること食べられることの喜びを感じてほしいです。摂食は生命維持の基本であり、その基本となるのが咬合です。十分な栄養を取るとともに、脳への血液供給をはかりつつ、平衡バランスをもとる咬合関係には様々な分野へと波及する見えない糸があるような気がします。その糸を絡まないようにうまくつむげるよう日々努力していきたいかと。

日々研鑽する意味

実は歯学部に行く前にとある文化系大学に通いつつ、なんとなく修士課程まで進学していました。その時の担当教官がいつも言っていたのは、「いかなることであれ、知ることは大切である。広く物事を見分し、書籍を読みつつ、一流のものに触れ、向上心を持って生きていきなさい。最善を求め、最悪を想定し、実際に行動に移すときは無心に全集中で行いなさい。ただ成功の一点だけを見据えて。最善はできないが現在できるセカンドベストな選択を繰り返し、一歩でも最善に近づくこと。あなたたちの時間は有限であるが、可能性は無限である。いかなる経験も必ず役に立つ時が来ます。迷うことはありません。今を一生懸命に遊び、学び、働きなさい。」

最近急に思い出した恩師の言葉でした。いつもべろべろになるまで飲んだその足でまた研究室へと戻っていくその姿はなんだか不思議と孤高な賢者である者の意志の強さを痛烈に感じていました。

とあらぬ方向に話がずれましたがインプラントは最強です。

それではまた

 

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院長 植田貴久
Takahisa Ueda
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