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院長のインビザライン日記
2022.05.14

インビザラインが得意な移動

近遠心移動、圧下 傾斜移動、細かい移動が得意です。逆にダイナミックな移動や歯体移動、挺出をするときは工夫が必要です。

近遠心移動

歯牙の歯冠の部分にマウスピースが覆うことで1週間に0.25mmずつ移動していきます。基本は傾斜移動と言って歯冠のみが先に動いてそのあと歯根がついてくるので歯全体が動くのには少し時差があります。その特徴を考慮して移動プランを練っていきます。アタッチメントとしては垂直長方形や最適アタッチメントを選択します。

圧下移動

歯を歯槽骨という骨の中に数ミリ押し込む移動となります。この移動では咬合面という歯牙の咬む面自体に圧をかけるので特にアタッチメントは必要ありませんし、噛む力も加わるので実現性が高くなります。

 

傾斜移動

マウスピースによる移動の最も基本となる移動様式です。マウスピースで歯の頭の部分をしっかりつかんでいるのでまず歯の頭つまり歯冠の部分が移動し、その後に歯根の部分が移動してついてきます。骨が柔らかい場合はほぼ同時に起こりますが骨が固かったり、歯根の形が複雑な場合は若干の時差が生じるのでそこを見極めることがきれいな矯正の仕上がりために必要となります。論文上でのエビデンスでは2ミリ以内の移動は予測実現性が高くなっております。

細かい移動

コンマ数ミリ動かしたり、2度傾けるといったレベルの細かい移動はワイヤー矯正よりマウスピース矯正のほうが精度が出せます。動かさない歯牙と動かす歯牙を明確に分けることができるので最終仕上がりまでかかる時間がワイヤー矯正より短くなり、かつ日々感じる歯牙移動の痛みもだいぶ緩和されると実感しております。

工夫が必要な移動

歯牙を一本分移動しようとする場合は少なくても8ミリ、広いと12ミリほどの移動が必要となります。このような場合は移動と歯牙の定着の時期とを織り交ぜながら確実に移動させていきます。例えば、2ミリ移動させたら一か月定着を待ってから次の移動に移るなどやっております。また挺出の場合は最適アタッチメント等を付けることによってその移動の予測実現性を上げております。最適アタッチメントは2009年に採用され、求められる移動に適したフォースシステムを生み出すように設計されており、アラインテクノロジーによる研究ではアタッチメントの形状を決定する際歯牙の形状をも考慮し治療がスムーズにいくよう計画しています。コンピュータ技術の進化のおかげで必要に応じて患者の治療計画に沿ったそれぞれ特有な歯牙移動にカスタマイズされたアタッチメントが提供されるようになってきています。

何故マウスピースを替えることによって歯牙移動が起こるか

歯牙は歯槽骨の中にハンモック上の歯根膜という組織を介して植立しております。この歯根膜という軟組織の厚みが0.25ミリほどあるのでこのスペース内で歯牙を移動させ、移動させるとともに骨の添加と吸収を骨芽細胞と破骨細胞が担うことによってこのような細かい順次移動が可能になっていると考えられております。歯牙の移動は一方向に限局された移動であることは少なく、回転させたり傾斜させたりと3次元的に移動することのほうが多い。アライナー治療の優れている点はこのような3次元的な複雑な移動を実現するにもっとも最適な力系をソフトウエア―上で決定し、そのプレッシャーポイントをアタッチメントに付与し、歯牙に接着することができる。これにより歯牙の3次元的移動を予測し、計画し実現することができる。歯科医師が設計した歯牙移動を実現できるようソフトウエアーがその移動に適したフォースシステムを生み出すように演算しアタッチメントと歯牙に与えるプレッシャーポイントの位置を設定する。基礎的な生物力学とコンピュータ技術を駆使することでインビザラインは歯牙移動のコントロールを高め、治療効果を向上させ続けている。患者に最良の矯正治療を提供するために、術者の経験を数値化し、膨大な数の患者データを駆使し日々自立学習により治療が日々進化している。AIの進化はとどまるところを知りませんが、その治療を実践するのは歯科医師の手指であり、治療を施されるのが生体である点は昔も今も変わりはありません。したがって、治療の成果は患者さんの笑顔が輝いたときに得られるものだと感じております。

それでは また

 

 

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院長 植田貴久
Takahisa Ueda
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