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2022.7.22ヤンリンデ歯周病セミナー その2
2022.08.06

こんにちわ府中市のワンデイデンタルです。

Dr.リンデ研修第二回を履修してきました。

中程度歯周病

歯周病は治療できる疾患であること。基本はTBIとBrushingで完治するといううことでした。検査を一歯ずつ行い、歯周ポケットをなくすことを目指すのが治療であるというものでした。したがって、ポケットクロージャ―とBOP(-),歯周ポケットを5ミリ以下にするというものです。中程度までの歯周病であれば、歯磨きと定期健診だけで十分に予防でき、その結果も良好である。したがって、10年間メンテナンスしていけばほぼ抜歯になるものはないというのが2000年までの論文で明らかになっています。中程度とは、骨欠損が歯根の3分の1以内であることが大切です。1985年Westfelt、1993年Wennstrom、2001年Rosling等の論文でも中程度歯周病の治癒効果の高さが記述されています。6ヶ月リコールと個々人のメインテナンスで大丈夫です。

重度歯周病

治療が難しいのが一般的な見解です。骨欠損が歯根長の50%を超えたり、複雑な骨の欠損がある場合は治療が難しくなります。治療としては外科的治療と定期的メンテナンスが必須となります。

中程度歯周病の治療についてのエビデンス

1993年のWennstron先生の論文を観ていきましょう。スエーデン国内の12歯科医院通院中の6000人から18歳から65歳までの225人の中程度歯周病患者をピックアップ。6か月ごとの定期的リコールで12年間の通院中にどのようなことが起こったか。スタート時残存歯牙数23,5本が12年後23,2本。スタート時12年後のボーンロスが平均で0,3ミリでかつ年齢による有意差なし。つまり中程度の歯周病の人は12年間でほとんど進行しない。また、2001年のRoslingの論文では、200人の中程度歯周病の患者にスケーリングを行って、6カ月毎に定期検診を行った場合、12年後喪失歯数が0,3本、ポケットの深さが0,5mm深くなって、垂直的骨欠損が0,3ミリ。したがって、中程度歯周病の患者は6カ月毎の定期検診で進行を抑えられるという結論に達しています。以上のように中程度の歯周病は治療がやりやすく、結果もよい。リスクが少なく、外科的処置なしで通常の治療で対応できインフェクションコントロールに注視すればいいだけである。よって歯周病の進行を抑制できる。

重度歯周病の治療についてのエビデンス

2017年のヨーロッパおよびアメリカ歯周病学会の共通認識では、診断と治療の選択が重要となる。骨欠損が50%近くあり、大臼歯部でそれが顕著であったり、くさび上に骨欠損があると治療は複雑になり、特に上顎にこのような所見があると治療は困難である。治療のゴールはBOP(-),ポケットの深さが5ミリ以下で安定した咬合が営めること、歯周病の進行を抑制すること。2005年Wennstrom先生の論文では42名の重度歯周病の患者に治療を行いました。TBIを行い一回1時間のクリーニングを4回行いました。ここでは縁上のプラークの除去に努め、Air flow ピエゾを使用して非観血的処置に限局し行われました。治療の目的はポケットクロージャ―、BOP(-),ポケット4ミリ以下、歯肉退縮ゼロです。治療によりポケットは浅くなりましたが、30%ほどの深いポエットの改善は認められませんでした。よって、深いポケットは外科的処置を行わないと改善が難しいようです。

当院での歯周病アプローチ

GBT(guided biofilm therapy)に基づいて治療を行います。診査診断を行い、まず初めは歯肉縁上もしくは歯肉縁下0.5ミリまでのプラーク除去に努めます。治療のゴールは、ポッケトを4ミリ以下にして出血を止めることです。使用器具は、Air Flow(すべてのユニットに常備してあります),とピエゾチップのスケーラー、あとは歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスです。手用のスケーラーを使うこともあります。歯周病が重度の方の場合は外科的処置やYAG レーザーを用いた処置で治癒を目指します。3カ月を目安に治療を完了させ、あとは定期検診を3カ月または6カ月毎に行っていき、歯周病の進行を抑制します。なるべく早く結果が出るように努めております。治療の頻度は一週間に一回の方や一カ月に一回の方、はたまた週に何回も通院していただく方まで様々です。患者さんの都合に合わせた治療計画を練り、診療結果が出るように行っております。

コロナ前は毎年イエテボリ大学の歯周病科で研修を受け、なるべく同じシステムで結果が出るよう材料等も同じにして診察を行っております。2010年から通っていたのでほぼ10年通っていました。ベンストローム先生、トートベルグンド先生、リンデ先生の研修を受け、ただひたすらメモって、日本で実践する日々でした。そのかいあってかほとんどの歯周病患者さんの治療対応ができるまでになりました。後はコロナが落ち着いたらスイスのEMS社での研修かなと思っております。

それではまた

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院長 植田貴久
Takahisa Ueda
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