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小児矯正増えてます
2022.02.08

こんにちわ府中の府中ワンデイデンタルです。

食生活の影響なのか小児の本格矯正のスタートが増えています。先週は3名ほどスタートしました。上顎が劣成長の場合、下顎に比べて上顎の側方への成長が緩やかな場合など様々です。

6歳から12歳にかけて中顔面から脳頭蓋にかけて成人の9割近くまで顎骨が成長します。これは脳の発育が活発化することによりそれを入れておくための頭の鉢が大きくなることによります。これに合わせて中顔面といわれる眼窩から上顎にかけての骨がほぼ大人と同じ大きさまで前方、側方、下方へと成長していきます。通常は噛み合わせは上顎が外で下顎が内側になります。これによって上下額前歯のかみ合わせが確立し、顎関節の関節窩の形態が確立していきます。顎関節は体の中で唯一回転軸が移動する関節でとても複雑で多機能です。中顔面の成長はこの時期のみなので顎関節にとってはとても大切な時期。将来の顎関節症を避けるためにもここを逃すことはできません。顎関節の形態は、上下額前歯のかみ合わせと第一大臼歯のかみ合わせで決まってきます。前歯のかみ合わせが深ければ深いなりに、かみ合わせが浅ければ浅いなりに出来上がってきます。また歯牙の咬頭の高さも影響してくるようです。意外と狩猟民族であるか農耕民族であるかなんてことも影響するのかもしれません。肉食な歯牙形態は切り立ってるし、穀類摂取多いと杵と臼っぽくなる気がします。

上顎骨の成長

小学生の時期の上顎骨は脳頭蓋の成長に引っ張られるがごとく側方前方へと拡大していきます。この時期の上顎骨の天井である硬口蓋は正中という左右の真ん中のラインの骨化がまだ不完全であるが故このような側方及び前方への拡大が一週間ほどで1ミリは拡大できます。症例にもよりますが5ミリくらい拡大できる場合もあります。例えば側方に拡大した後、さらに前方に拡大するという手法もあります。良い点は、扱いが意外と簡単な点。欠点は拡大するにしたがって拡大装置と歯牙及び顎堤のフィットが悪くなるのでクラスプ等の調整が必要な点。下顎骨は上顎の拡大につれてうまく嵌合してくることが多く何もしないことが多いです。

小児矯正の必要性

萌出してくる永久歯は生涯同じ大きさで小さくなったり、大きくなったりすることはありません。それを支える顎堤は成長期の間はたゆまず変化していきます。遺伝的要素も加味しつつ、小学校低学年での低侵襲な矯正的治療介入は長期で見たときに治療介入の量が格段に減る傾向があります。その違いは十分に優位さがあるのですが、実際に個人においてはその違いを実感していただけないのがもどかしいところです。うまくいけばいくほど成人矯正にかける時間がぐ~ンと減り、いいことずくめ。ただ、早い段階から、歯牙の動きを予測して治療プランを立てるので経験は必要かもしれません。小学校に上がると児童の上顎骨は脳幹の成長に準じて側方へと拡大しつつ高さを増していきます。この期間が6歳から10歳くらいまで。ここで顎関節の関節窩の前方滑走面の角度も決まってきます。合わせて鼻空に問題があり、口呼吸であったり、嚥下の仕方が乳幼児のままであったりすると、前歯のかみ合わせがうまくいかなくなることが多いです。その場合は合わせて舌癖の改善も行います。これにより上下額前歯の適正なかみ合わせが整います。上下額歯列は舌の圧と口輪筋等の表情筋の圧力の拮抗する中立地帯に並んできます。このラインを何とか機能的かつ審美的なラインにとそろえるのが小児矯正の本質になると考えています。

子供たちの笑顔のために

それではまた

 

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院長 植田貴久
Takahisa Ueda
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