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誤嚥性肺炎と口腔ケア
2023.02.20

こんにちは   府中ワンデイデンタルです

梅の花が咲き始めて、少しずつ春の陽気を感じ始めますね

今日は誤嚥性肺炎と口腔ケアに関連するお話をします

誤嚥性肺炎とは…

お口の中の細菌などを含んだ唾液等が気管に入り、肺の深部まで侵入して炎症を起こした状態で

胃液や胃の内容物が逆流しても発症し、重症化すると死に至ることがあります

 

原因

直接の原因は細菌の繁殖です

鼻やお口の中には様々な細菌がいます

誤嚥性肺炎を発症した患者から検出された細菌を調べると1番多いのは肺炎球菌ですが

他にも様々な細菌が原因になっています

発症の原因は、食事中の誤嚥・胃の内容物の誤嚥・就寝中の誤嚥の3つです

誤嚥性肺炎を含む肺炎は日本人の死因の第3位。特に高齢者にとって致死率の非常に高い疾病です

ご高齢者に多い理由は、慢性的に誤嚥している・嚥下反射の低下だけでなく、誤嚥した後それを喀出する反射能力が低下しているためです

さらに誤嚥性肺炎を起こすご高齢者の多くが口腔外科状態が悪く、誤嚥したものに細菌が付着していることが多いというのも理由にあげられます

気になる文献をご紹介します

口腔ケアにより、介護老人施設に入居するこれ胃患者の肺炎が減少する

国内の介護老人施設11か所に入居するご高齢者417名を対象に(既往歴脳卒中や高血圧、不整脈、心筋梗塞…糖尿病、胃潰瘍などの慢性疾患)

肺炎症状や咳 37.8度を超える発熱 自覚的な呼吸困難があった場合の研究を行った

研究期間中はすべての被験者に対して、毎食後に歯ブラシのみを用いて5分間のブラッシングを行った

義歯を使用している163名には義歯の清掃も毎日行われた。

実験群(口腔ケア群)においては歯科医師または歯科衛生士が専門家による口腔ケア(プラークと歯石の除去)を必要に応じて週に1度行った

実験期間は2年間(期間中に51名は肺炎以外の原因で死亡したため366名で実施)

 

本研究は、口腔ケアが介護老人施設入居者の誤嚥性肺炎の発症頻度を減少させることを、世界で初めて示したものです

特徴としては有歯者のみならず、無歯顎のご高齢者にも効果があったということです

ということは…歯周炎(歯がないと起こらない)により炎症性サイトカインなどが血流に入り、肺の炎症反応を刺激する!よりも

口腔衛生不良による口腔内細菌の直接的関与の方が、要因として大きいと言える。

 

現在の世の中は肺炎の患者は新型コロナウィルス感染!!コロナコロナ!ウィルスウィルス!と

なりがちかもしれませんが

まずは老若男女問わず、施設、在宅、有歯、無歯は関係なく

ご自宅で毎日のオーラルケア。そして忘れてはいけない

歯科医院での定期検診を行い専門家による口腔ケアを忘れずに受けて頂きたいと思います。

 

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院長 植田貴久
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